case019 パートタイム事務員の採用取消について
パートタイム事務員の採用取消について
Q:相談内容
求人に関してのご相談でメール致しました。
現在、社内全体でハローワークでの求人募集をしています。
先日、●●営業所にてパートタイム事務の募集に応募してきました。
女性を面接し、8/26入社にて採用したのですが、本日、現場(●●営業所)より、断りの連絡をして欲しいと言われました。
まだ断りの返事はしていません。
断る理由としては、社員が少ない為、仕事を教える人も時間もない、という理由です。
でも、それは最初からわかって面接し、採用したので全面的にこちらが悪いです。
お断りの連絡を何と伝えたらいいのか悩み中でございます。
ご指導お願い致します。
A:回答 <結論>
会社側が採用内定通知を採用内定者との合意がなしで、自由に取り消すことはできません。
(1)採用内定通知、誓約書等に記載されている内定取消事由があり、それに該当する事由が生じた場合で、かつ、その内容が不合理なものでないこと。あるいは、採用内定通知、誓約書等に記載されていない理由による場合で、採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実で、解約留保権の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として是認することができるものであること
なお、採用内定通知書ないし誓約書における提出書類への虚偽記入も、その程度・内容が重大なもので、それによって従業員として不適格性あるいは不信義性が判明したことを要するとされています(日立製作所事件・横浜地裁S49.6.19判決)。
(2)業務の縮小など企業側の都合による事由で内定を取り消す場合は、判例上、以下の4つの整理解雇の基準を満たすことが必要です。
①整理解雇の必要性があること
②整理解雇回避のための努力を尽くしたこと
③解雇の対象者選定について、客観的・合理的な基準を作成し、適正にこれを運用したこと
④使用者が整理解雇を行うにあたって、当該労働者、労働組合と誠実かつ十分に協議しなければならないこと
以上