case017 試用期間の通算

Q:相談内容

 試用期間は年次有給休暇、賞与、退職金、勤続年数に通算されますか?

A:結論

 試用期間が勤続年数に通算されるか否かは、利用する目的(年休、退職金等)によって異なります。概要は以下のようになります。
(1)年次有給休暇の付与基準(8割以上)には通算します。
(2)社会保険、労働保険の加入は試用期間の当初から通算します。
(3)退職金計算上の通算については、会社独自に決めます。
(4)永年勤続表彰の計算の通算については、会社独自に決めます。
(5)賞与の計算期間の通算については、会社独自に決めます。
(6)平均賃金を計算する際には除外します。
(7)解雇の予告の手続きでは除外します。

解説
(1)年次有給休暇の付与基準
 労働基準法(第39条1項)によって、「使用者は、その雇入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。」と規定されていますが、試用期間については触れられていません。
 一方、試用期間であっても雇用関係は成立しますので、継続して勤務したものに該当すると考えられます。
 したがって、試用期間は勤続年数に加算するということになります。

(2)社会保険、労働保険の加入
 雇用保険や社会保険(健康保険と厚生年金保険)について、試用期間中であっても、それぞれ加入要件を満たしている場合は、試用期間として雇い入れた日から加入する義務があります。つまり、試用期間は加入手続きをしなくてもいいという認識は間違い(法律違反)です。
(3)退職金計算上の通算
(4)永年勤続表彰の計算の通算
(5)賞与の計算期間の通算

 以上の(3)、(4)、(5)については、試用期間について、会社独自の制度として、自由に決めることができます。そのときは、試用期間かどうかによって異なる取扱いのルールを就業規則に具体的に記載しておく必要があります。


 例えば、退職金の支給額を計算する際に試用期間を勤続年数に含めなかったり、試用期間中の従業員には休職を適用しなかったり、といった取扱いのことです。
(6)労働基準法第12条で、平均賃金を計算する際に、「試みの使用期間」は除外して計算することとなっています。
(7)労働基準法第21条で、解雇の予告の手続きについて、「試の使用期間中の者」(入社後2週間以内)は適用を除外することとなっています。


 本稿のメインテーマからは少し逸れますが、このルールについて、「採用14日以内であれば自由に解雇可能」と誤解されているケースが間々見られますが誤りです。あくまで「解雇予告手当が不要」であるということであって、「自由に解雇が可能」であるということではありません。
以上

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