case015 疾病による休職期間中の取り扱い(有給休暇、賞与、昇給)について
Q:相談内容
疾病による休職期間中の場合の取り扱いについて
① 有給休暇の付与などはどうなりますでしょうか?
② 有給休暇の有効期間は2年で宜しいでしょうか?
③ 賞与は支給しなくても宜しいでしょうか?
④ 毎年4月の昇給に関して、昇給しなくてもよろしいでしょうか?
※「疾病による休業中」というのは、私傷病(業務外の)による休職期間になります。予定では3月19日から半年ほど癌の治療にあたるということです。
A:結論
①私傷病(業務外の)による休職期間中の有給休暇について
私傷病休職や産前産後休業、育児休業期間については、そもそも労働義務がないため、年次有給休暇を請求できません。
有給休暇は、その日が労働日であることが前提とされています。よって、傷病などにより、労働日に欠勤するような場合でも、年休を取得することができます。しかし、休職命令が行われ、休職期間に入ってしまうと労働義務が免除されることとなるため、年次有給休暇を取得することができません。
②私傷病(業務外の)による休職期間中の場合でも、有給休暇の消滅時効期間は2年のままです。
③休職中に賞与は支払う必要か? については、会社によって異なります。
休職は法令に基づく制度ではないため、会社には休職中の社員に給与・賞与など賃金を支払う法的な義務はありません。ただし、会社の裁量によって定めることができますので、賃金規程等に休職中の賞与について定められている場合は規程に従って支払うことになります。その場合、賞与対象期間に休職期間がどれだけかかっているかによって減額措置がなされるケースがあるようです。特に中小企業では休職中は賞与を支給しない会社が多いようです。
御社の規定では、「休職期間中は無給とする。」と規定されていますので、賞与は支払う必要はないと思われます。
④ 毎年4月の定期昇給で、昇給させるかどうかについて
原則、定期昇給は会社ごとの規定ですから、会社がどう評価し支給するかです。昇給がなくても法律上は問題がありません。ただし、例外として、勤続年数で自動昇給となるテーブルとなっている等、昇給請求権が成り立つ規定が就業規則で定められる場合があります。この場合、規定に沿った昇給をする必要があると考えられます。
以上